地震や台風の時、壊れない家⇒安全な家

安全な家とは、どんな家を言うのだろうと考えてみた時、構造的な強さとメンテナンスが容易に出来る事を考えます。

構造的な強さは、建築基準法により定められていて、地震に対しては、住宅性能表示制度に基づく建物の構造の強さの目安で、耐震等級1~3で示されています。

 

耐震等級1とは

建築基準法の耐震性能を満たす水準であり、震度5程度の地震では住宅が損傷しない程度をいう

耐震等級2とは

等級1で想定される、1.25倍の地震でも耐えられる程度をいう

耐震等級3とは

等級1で想定される、1.5倍の地震でも耐えられる程度をいう

 

又、家は地盤の上に基礎を造り、基礎の上に家を建てます。

近年では、工事着工前に地盤調査を行い、地盤の強度を調べ、地盤が弱ければ地盤改良工事を行ってから、家づくりに進みます。

最近では、瑕疵担保保険との関係上、地盤が弱い場合100%地盤改良工事を実施しています。

基礎や軸組については、建築基準法に基づいて強度計算を行ない安全の確認を行なっています。

 

以上の事からわかりますように、家の構造的な安全性については基準があり、はっきりしていますが、メンテナンス性については、基準がありません。家を設計する者の知識にそって造られていきます。

 

今造られる家は、60年。いや、100年以上にわたり住み続けられる家づくりが求められています。

長期に渡って住む為には、家のメンテナンスは避けては通れません。メンテナンス性の必要性が、必ず求められます。

 そのメンテナンスにも、自然の老朽化によるメンテナンスと、今回のように自然の外力による破損のメンテナンスがあります。

 

自然の老朽化によるメンテナンスは、計画性を持って予防保全として対応出来ますが、地震や台風のような思わぬ外力による破損のメンテナンスは、緊急性が求められる為、発生した時の対処方法も考えた家づくりをしておかないと、大変になってしまう事があります。

 

その一例として

〈1〉屋根形状を重視した家。

屋根勾配が一般的に5寸を超えると屋根上には人が立てません。足場が必要です。

ブルーシートによる雨漏りの応急修理も出来ない為、足場が出来るまで雨漏りの心配をしながら待たなければなりません。(今回も2ヶ月以上待ちました。)

 瓦がめくれ、雨漏りが心配です。

 瓦がめくれ、雨漏りと玄関上の為、瓦の落下による2次災害が心配です。

 

〈2〉停電した家

最近の家は、電気を使って動く設備が大半です。トイレや駐車場のゲートや玄関ドアもそうです。

トイレもタンク付トイレは、タンクに水を足せば使えますが、タンクレストイレは使えません。

  タンク付トイレ

  タンクレストイレ

 

駐車場のゲートも停電すると動きませんが、手動では動きます。

しかし、前もっておさらいをしておかないと、停電時に困ります。

 

今回の実際に起こった事例の中から一部について、述べさせて頂きました。

 以上の事からも、メンテナンスを考えた家づくりが、いかに大切かという事がわかります。

「形あるものは、必ず壊れる」という言葉があります。

壊れた時のメンテナンスが容易に出来る家づくりがいかに大切かという事が、今回の台風被害の復旧工事に携わっている者として、一番感じた事でした。

 

美和工務店の家づくりの中にも、この考え方をしっかりと取り入れ、今回の経験を生かした家づくりを実践していかなければならない事を思い知らされました。

 

次回は、「家族みんなが帰りたくなる家⇒住み心地のいい家」について、述べさせて頂きます。

近藤正隆

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