価値を高める家づくり(その1)
私事ですが、おかげさまで喜寿を元気に越える事ができ、喜んでおります。
ありがとうございました。
ところで、昨日の朝日新聞の朝刊を見てびっくりしました。
記事は「定年クライシス 居場所はどこに」
夫は一日テレビの前 響かぬ言葉 不満爆発 「ただの同居人」 期待諦め心で何か解けた
ご主人が定年退職されてからの生活において、起こってくるさまざまな問題が述べられています。
特に、夫婦の会話が無くなる事の重大性が述べられているのです。
私も3年前、社長職から会長職に変わった時、肩の荷が降りると同時に、気が抜けていくのがはっきりわかりました。
又、毎日出社するのが億劫になってきたのです。
「これではいかん!」と思い、私の気持ちを一番理解してくれているのは、今まで一緒に働いてくれた家内だと思い、家内が喜んでくれる事を実践しようと考えたのです。
考えついたのが、食後の皿洗いです。
食卓テーブルの上に置かれている食器を運び、洗剤を使って食器を洗い、乾いた布巾で食器を磨き、決められた食器棚に収納するのです。
すると家内から、「そこのカップは違う。ここに納めて」というような言葉から会話が始まります。
今年の4月から開始した“食器洗い”も2ヶ月が過ぎ、休日の朝のコーヒー淹れ、キッチンまわりの生ゴミの片付けから、ゴミ出しへと少しづつですが範囲が広がって、広がった分だけ会話が弾む気がします。
今回の作戦で気づいた事が、ひとつあります。
夫婦の会話をスムーズに増やそうと思うのであれば、キッチンは対面式の方が良いと思います。
夫婦の顔が見えて、互いの気持ちが読み取れるからです。
今から造る家は、100年住宅と言われています。
必ず、自分の家で年老いていく事を考慮しておく必要があります。
そのためには、加齢に伴い生じてくるニーズを洗い出し、対応できるような家づくりを行うべきだと思います。
それが、本当に住む家の価値を高める事になるのです。
近藤 正隆