TIP構法 地場工務店中心に浸透 ~住宅産業新聞一面より~
7月27日付けの住宅産業新聞にて、弊社でも取り入れておりますTIP構法の記事が1面に掲載されました。
TIP構法 地場工務店中心に浸透
協会発足から24年で9千棟越の施工実績
地震・災害への強さを実証
地震や災害に強い木造構法として「TIP構法」が世に知られたのは1993年1月。
東京工芸大学建築学科の上西秀夫教授(当時)が中心となり、TIP構法の普及を目的とする日本TIP建築協会が設立されてからだ。
同構法は、構造力学の原理を応用し、筋交いを固定するガセットプレート(構造用合板)を使用し、外壁の下地板を斜め45度に張る事で、従来の木造建築と比較しても数倍の強さを発揮すると言われている。
現に、阪神・淡路大震災(95年1月)、新潟県中越地震(04年10月)、東日本大震災(11年3月)、熊本地震(16年4月)などにおいて同構法で建築された住宅については、大きな被害が見られなかったという。
協会発足から24年。延べ9千棟を超える施工実績を持つTIP構法を改めて検証してみた。
TIP構法は、東京工芸大学建築学科の上西教授(当時)が、「「地震に強い木造住宅の構造開発」という目標を掲げ、10年にも及ぶ実験を重ねた結果、たどり着いた構法。
三角形の(Trainagular)・接合用(Incorporate)・合板(plywood)を用い構法という意味だ。
これまで、阪神・淡路大震災をはじめ新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震などの災害があったものの、同構法による住宅の被害は、ほとんどなかった事から、その性能の高さが照明されたかたちとなった。
同構法は、構造力学の原理を活用し、耐震性能を倍増させた木造在来軸組構法で、柱と土台などの横架材を固定するガセットプレート(構造用合板)を使用することで、トラス構造とラーメン構造を併用している。
従来は水平に張る外壁の下地材を斜め45度に張ることにより柱と横架材をつなぎ耐震性を増大し復元力も大きくなる。
筋交い細部には、クリアランス(隙間)が設けられてるため、柱引き抜きや横架材の突き上げも緩和される。
端部のクリアランスについては、力学的に緊結していることから、建築基準法の観点からも問題はないという。
「今は、壁倍率2.5が取れる面材を使う事が主流の時代。若い大工さんのなかには、下地板を張ることを知らない人
いる」(井下田専務理事)。
従来、木造の筋交いは圧縮には効くが、引っ張りには効果がないといわれる。
同構法では、筋交いの端部分をガセットプレートと釘で結合し、釘のせん断耐力で力を伝えるので圧縮にも引っ張りにも効く筋交いとなる。また下地板斜め張りは法令上水平に張ったものと同じ扱いだが、より強度のあるTIP構法の耐震壁は『含み強さ・余力』を持ち、想定以上の外力に対しても対応できるという。
特長として、
①揺れにくい(剛性)
②壊れにくい(強度)
③粘り強い(靭性)
④傾きにくい(復元性)
⑤直しやすい
が挙げられ、特に下地板斜め張りによる復元力の高さや粘り強さは、昨年の熊本地震でも話題となった「繰り返し地震」にも効果的という。
これまでも、建築基準法の改正に合わせた修正が行われており、2000年にはガセットプレートに鉄板補強ガセットプレート(厚さ12㍉の構造用合板を圧着したもの)を使用することで耐久性を強化したほか、筋交い端部のくぎの本数を増やすなどの改善が行われた。
出典元:住宅産業新聞
施工事例のページでも各施工物件のTIP構法の様子を御覧頂けます。