あなたの家が危ない。熊本地震からの警告!!
昨日の日曜日の夜。
NHKのTVにて、”あなたの家が危ない。熊本地震からの警告!!”という番組が報道されていた。
この番組を見ていて、家づくりに携わる者として、すごく考えさせられる事があった。
我々の造っている家の一番基となる安全・安心という部分は何を基準にして考えられているのか?
それは、国が示す建築基準法により、地震に対しては、耐震基準がある。
ところが、今回の熊本地震では木造住宅の新耐震基準をクリアーした住宅のうち、19棟/319棟が倒壊または、大破したと、述べられている。
TVでは、新築して6年目の家が倒壊して、呆然と家の間に佇む人の姿が、何とも言いようがない寂しさに見えた。
(あなたの家が危ない。熊本地震からの警告!!より、画像をお借りしました)
色々な大学の先生が、色々な角度から現地調査された結果、木造住宅の倒壊原因として、壁の直下率が考えられると云われている。
壁の直下率とは、1階の壁と2階の壁の位置が同じである率をいいます。
壁は、屋根や2階の荷重を、1階の壁を通して、基礎に伝え、地盤へと伝えていきます。
この時1階の壁と2階の壁がずれていると、力を伝えることが出来ない為、1階の弱い所へ力が集中し、破壊されていきます。
住宅を設計する際は、壁の直下率を考えながら、お客様のご要望を取り入れ設計する事が、非常に大切な事といえる。
お客様中心で、要望を聞きながら、間取りを考えたときどうしても、デザインや大きな空間が求められる。
しかし、設計者は、将来の安全・安心を担保出来る家づくりを考えるなら、壁の直下率を考えながら設計しないと、楽しい我が家の安全・安心は得られないという事を心して、設計業務に当たらなければならない。と云っている。
又、マンションでも、今はやりの免震構法を取り入れた建物でも、全壊したとの事。
調べてみると、免震構法のゴムは、短周期地震動には強いが、長周期地震動には弱いと伝えている。実際、免震ゴムが破壊されている映像が示された。
又、国の示す耐震基準には地震地域係数があって、地域によって耐震基準が違うのも不思議である。
地震国日本にあって、安心・安全な命を育む家づくりを考える時、地震に対して安全・安心を担保出来る設計に心掛けないと、いい設計者とは言えない。
近藤 正隆