お父様の思いを受け継ぐ 吉野への旅
ただいま『涼温な家』を建築中の、大阪市のO様と一緒に奈良県吉野郡吉野町の吉野中央木材(株)様へ通し柱の選定に行ってきました。
O様はお父様の代から吉野に山林を持っておられ、家を建て替えする時には、自分の山の木材を使いたいと、ずーっと考えておられたのですが、今回色々検討した結果、現状では林道が設置されていない為、木材の搬出にヘリコプターを使用しないと搬出出来ない等の問題があり、せめて通し柱だけでも吉野材を使って建替えをしたい。又、ご自身の目で見て、通し柱を選びたい。という事になり、吉野への旅が始まったのです。
吉野の町に入ると、川を挟んで四方が、山また山です。
車から降りると、空気がすごく美味しく感じられます。
吉野中央木材(株)の石橋専務に迎えられ、工場内の案内と、通し柱の選定のアドバイスを頂きながら、桧の香りいっぱいの通し柱を決めて行きました。
又、お話の中に「吉野材の最大の特長は、芯が円心にあり曲りが少なく、年輪巾が細かく均一であること。そして、色つやが良く光沢に富んでいることです。年輪巾が細かく均一であるということは、そのまま強度が高いということにも繋がります」との説明を受けました。
そして、選定が終わった後、石橋社長(石橋専務のお父さん)からも、吉野木材に関する歴史や現状の問題点についてお話を頂きました。
吉野材は、元々、酒樽造りから始まり、杉や桧の生長に適した気候や風土のもと、発展していった。
現在は鹿が増えて、植林した若木の芽や幹の皮を喰い荒し、大きな問題となっている。
吉野も高齢化と人口減少が進み、森林組合を作って、みんなでこの吉野の山を守っている。とのお話をお聞きしました。
O様邸も、11月10日着工です。
お父様の思いをしっかり受け止めながら、住む人の幸せを願える家づくりに邁進いたします。
近藤 正隆